アスラと阿修羅(あしゅら)

古代インドのヒンドゥー教の神々(ブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァ)に対抗する魔神がアスラである。この魔神が仏教の中にはいり音写されて阿修羅(あしゅら)となった。

興福寺の阿修羅像は有名」である。

ヒンドゥー教の神々がインドに侵入したアーリア人の伝統からくるものであるとすると、このアスラはアーリア人に抵抗した人々を表わしているのかもしれない。

カナート:古代ペルシアにおける伝統的な水利

山から麓へと流れる雨水が地下に入り地下水となる。こと地下水を山の中腹に穿ったトンネルに流し乾燥した平原地帯の農地に水を供給する水利システムがカナートである。この長いトンネルを掘る技術が面白い。

カナートのスケッチ(「技術の千年史」より)

スケッチのように途中にたくさんの竪坑を作りそこから左右に掘り進め長いトンネルを完成させる。これには高度な測量技術が必要である。これがカナート(カーリーズ)である。古代ペルシアにさかのぼる水利技術である。

最古かつ最大のカナートの1つはイランのラザヴィー・ホラーサーン州の ゴナーバードにあるゴナーバードのカナートで、このカナートは「カイ・ホスロウのカーリーズ」ともよばれている。建設されたのは紀元前500年から紀元前700年の間で、2700年を経ても、いまだに4万人近くに飲料水と農業用水を提供している。 427の井戸があり、中心にある井戸は360メートル以上の深さがある。全長は33,113メートルにおよぶ 。

この水利システムの運用に使われた水時計がある。水を公平に分配するために時間計測が必要であった。そこに登場したのが「水時計」である。

自慢の遠野馬産、さっそうと:本州唯一の乗用馬競り

今朝の新聞の記事のタイトルである。

遠野馬の里で25日乗用馬市場があった。生産者11名が育てた1~2歳の19頭が上場された。一頭平均120万円程度であるがこの日は200万円の値がついた2歳馬もあった。主催した遠野市畜産振興公社の菊池茂勝理事長は「仕上がりは上々。全国の大会や乗馬クラブで遠野産馬が活躍することが楽しみだ」とあいさつした。

メソポタミアの宇宙像

「アケメネス朝ペルシア」(阿部拓児著)や「アレキサンドロスの征服と神話」(森谷公俊著)を読んでみるとペルシア帝国の誕生から滅亡までの興亡の姿が分かるが、そこに住んでいた人々の姿が見えてこない。

古い本で「科学思想史」(近藤洋逸・藤原佳一郎著)の中で以下のような文章にであった:

太初にはアブスー(大洋)という父神とティアマート(混沌)という母神だけがいたが、この両神の混合からおおくの自然物や自然力が生まれた(これら自身も神である)。ティアマートは新しく出現した神々のふるまいに我慢できずこれらを滅ぼそうとした。これを迎え討つのが新しい神々の一人、マルドックであった。かれはティアマートを殺しその身体を二つに切り開き一半を高く吊るした。これが天になった。もう半分は脚下に広げた。これが地となった。

このような神々や神々の創造物として自然を見ていた。一方ではしかしバビロニア天文日誌として知られる高度な天体観測の膨大な蓄積をも行っていた。これらの観測は占星術の精度の向上を目的としてなされたが、日食の13年周期をはじめ多くの経験則を発見している。

実証不可能な部分は神話として経験則から自然をみていたのかもしてない。

 

「しばり地蔵」由来

米ケ袋に「しばり地蔵」がある。全身を荒縄でぐるぐる巻にされた地蔵である。

米ケ袋の「しばり地蔵」

寛文事件に関連して処刑された伊東七十郎を供養するために造られたものらしいが、縛られている姿の由来は不明である。「人々の諸々の束縛を全身で身代わりになっている姿」かもしれない。

カエルの目立つ色、目立たない色:捕食者の数が関係

今朝の新聞の記事のタイトルである。

被食者は捕食者から発見されないよういろんな意味で「目立たない」ことが重要である。一方パートナーを確保するためにはいろんな意味で「目立つ」ことが求められる。このジレンマを解決するために生物はさまざまな方法をつかう。被食者には見えるが捕食者には見えないような、例えば紫外線、超音波を使って「目立たせる」。

この記事はカエルの体色についてでる。中国・西華師範大学などの研究者たちは中国各地の生息する102種のカエルの体色を捕食者の多さとの関係で調べた。結果は

捕食者がほとんどいないところに生息してるカエルの体色は目立つ色をしているのに対して、捕食者がたくさんいるところでは周囲の色に溶け込む目立たない色をしていることが分かった。

面白いことに目立つカエルの脳は目立たないカエルの脳と比較して大きいことである。仲間同士のコミュニケーションに使う脳機能が強化された結果なのかもしれない。