中世イタリア商人の世界-ルネサンス前夜の年代記

中世イタリア商人の世界(清水廣一郎著)という面白い本がある。イタリア・ルネサンス直前(14世紀)のフィレンツェの商人、ジョヴァンニ・ヴィツラーニが書いた年代記を紹介しつつ、当時の都市国家としてのフィレンツェの様子を紹介している。

日本でも堺が商人の町として自治権を持っていたことが知られているが、都市国家というのはその規模が桁違いに大きなものである。例えばフィレンツェでは商人たちつまり市民が暮らす市街地以外に東京都や神奈川県の大きさの規模の農山村地帯を支配地域として持っていた。これらの農民は支配される側の人々であった。商業で利益をあげることもあったわけであろが、このような農民支配は都市国家の経済的基盤であったのであろう。

南極を発見したのはポリネシア人かも?

今日の朝刊の記事のタイトルである。

ポリネシア人が7世紀ごろ南極大陸を発見した可能性があるという話である。

ニュージーランドもポリネシアの一部でポリネシア人が定住したのは1000年以上前からだと考えられている。かれらはマオリ(MAori)と呼ばれ自分たちの歴史を口伝として残している。

それらを解析した結果、ポリネシア人と南極大陸の関係を示す最も古い物語は1320年前に遡るという。

 

Languages are the pedigrees of nations.

Samuel Johnsonの言葉である。

「言語は国家の系譜なのだ。」

その国の言語の成り立ちをみればその国がどのように形成されたが分るという意味である。

例えばルーマニア。中央ヨーロッパで唯一ラテン語系の言語を話す国である。ローマ帝国の影響を色濃く受けた結果である。

家畜化されたウシの脳は野生のそれよりも小さい

Newscientistのあった記事のタイトルである。

一般的に野生動物の脳に比較して家畜化された動物の脳は小さい。これはウシのばあいも同じか?家畜化されたウシの祖先は絶滅しまっていてこのことは不明であった。

チューリッヒ大学の研究者たちは化石として残っているオーロックス,(Bos primigenius)の13個の頭蓋骨の大きさを家畜のウシ (Bos taurus)71品種317個の頭蓋骨の大きさと比較した。

頭蓋骨の大きさの比較から研究者たちはウシの脳はオーロックスに較べて26パーセントも小さいと推定した。しかもウシの間でも差異があり、よりヒトとのコンタクトが大きい乳牛の脳はよりコンタクトの小さい闘牛と比較して小さいことも明らかになった。ヒトに従順になるの従って脳の大きさが小さくなるようの思える結果である。

 

 

超並列系の宇宙

宇宙である瞬間に起きている素過程は至るところで同じであるとすると考えてみよう。これを超並列系と呼ぶことにする。

このような宇宙で、あるところでは生命体が誕生するし、あるところでは銀河も星も誕生しない。

それは何故か?それは進化する宇宙の初期にゆらぎがあったからだ。宇宙の起きている素過程がこのゆらぎを増幅した結果が銀河、星の誕生であるし、生命体の誕生である。

サーン・ジャイアントは千年以上前の作品

これは最近のNewScientistの記事のタイトルである。

サーン・ジャイアントの画像

記事によればこの遺構の年代測定が始めて行われて予想に反して千年以上も古いものであることがわかったという。というのはこの遺構の最古の記録は300年ほど前であり、地元のサーン・アバス(Cerne Abbas)村の教会のものである。これ以前にはこの遺構の記録はない。

この遺構(像)はサーン・アバス村を見下ろす丘の側面に見えるもので、溝を掘りそこに白チョークを敷き詰めて創ったものである。

英国にはこのような遺構が三つある。他の二つはLong Man at Wilmingtonとアフィントン・ホワイト・ホース(Uffington White Horse)である。 Uffington White Horseは以前このブログでも取り上げたものであるが確実に先史時代のものである。

Pythonで正規表現:電話番号

郵便番号については既に議論した。次は電話番号行を特定するための正規表現である。
電話番号行は
行の先頭が’電話’、’Tel’、’TEL’で始まる文字列の行(例:電話022-222-4444)。または0から9の半角数字、記号’-‘、記号'(‘、記号’)’の文字からのみなる文字列(例:022(222)2345や022-227-2345)とする。
この条件をPythonで書くと:


#coding: utf-8
import re
msgs = ['電話022-222-2222', 'Tel022-222-2345', 'TEL022-228-5678', \
        '022(2267)5678', '234-3456-4567', '456局345(65678)','34+456+4567']
for i, msg in enumerate(msgs):
    m1 = re.search(r'^電話|Tel|TEL', msg)
    #print(i, m1)
    m2 = re.search(r'[^0-9-()]', msg)
    #print(i, m2)
    if bool(m1) or not bool(m2):
        print(msg, ' OK')
    else:
        print(msg, ' NG')

m1は文の先頭に’電話’等の文字列があることを条件にしている。m2は当該の位置にない文字を指定している。つまり、0から9まで半角数字、記号’-‘、記号'(‘、記号’)’以外のものがあるとマッチする。文字列のどこかに該当する文字があるとマッチする1文字マッチの条件である。m2にはその文字が代入される。その文字列の最後まで探して該当する文字がないとm2はNoneになる。つまり、除外した文字のみでできている文字列であるかどうかを判定できる。

結果は
電話022-222-2222 OK
Tel022-222-2345 OK
TEL022-228-5678 OK
022(2267)5678 OK
234-3456-4567 OK
456局345(65678) NG
34+456+4567 NG
となる。

Pythonによる正規表現はここが詳しい。

内蔵の助(くらのすけ)谷と佐々成政(ささなるまさ)

黒部渓谷、岳、立山連峰周辺の地図を眺めていると「長次郎谷」、「源次郎尾根」、「作朗越」など人の名前に由来すると思われるものが地形の名前に使われていることがある。これらはこの周辺の山を案内した地元の案内人の名前であるが、「内蔵の助谷」と古風な名前の谷がある。これは現在の「黒四ダム」の少し下流で左岸に流れ込んでいる谷である。

この谷の名前は古風なはずで戦国時代の武将の名前に由来する。その武将は佐々内蔵之助成政という。天正12年(1584年)、越中を支配していた成政が越中から信州に出て、浜松まで行き家康に面会したとされるときに通過したルートが、「早月入りを伊折から大窓を越えて立山の東面に入り、内蔵の助平の岩窟で泊まり、内蔵の助谷を下った」という伝説があるという(「黒部渓谷」)。

黒部渓谷の阿曽原(アゾハラ)

黒部渓谷の中流域に阿曽原(アゾハラ)という地名がある。この地名の由来について「黒部渓谷」(冠松次郎著)に記載があった。それによれば「湯の湧き出る熱いところ」の意味だそうだ。事実こに地域は黒部渓谷のなかでも最も湯が湧き出る量が多いところの一つで、熱湯が川に流れ込むところがいく筋があるという。

現在ではここには温泉山小屋があって「高熱隧道」(吉村昭著)で「胞雪崩」で倒壊した宿舎跡地にその温泉山小屋は建っている。

利便性vs.多様性:ディジタル化で失われるもの

利便性が高いとディジタル化が叫ばれている。

ディジタル化で失われるものもある。それが多様性だ。

ものごとのディジタル化に際して規格化がされる。規格化は篩いにかけることである。篩いの目が粗いと篩いに残ったものは質が均質で扱いやすくディジタルシステムの利便性は大きくなる。しかし篩いの目からこぼれてしまったものも多い。これがものごとの多様性を担っている部分である。

利便性だけを追い求めるとますます多様性が失われる。