「草を打って蛇を驚かす」と「藪蛇」

巳年に因んで蛇が絡んだ言葉をとりあげる。

「草を打って蛇を驚かす」と「藪蛇(やぶへび)」は行為と行為の結果は同じであるが、行為の目的は正反対。これが面白い。

「草を打って蛇を驚かす」は「弥縫録」(陳舜臣著)で採り上げている成句。草を打って「敬遠」したい蛇に出て行ってもらう、という意味で、目的以外のものを叩いて本人に警告を与えるときに使う。

一方「藪蛇」は余計な事をしたために、いらぬかかわりあいになり、思わぬ不利や災難を招くことの意味。行為の目的は蛇をだすことではない。

この二つの成句でも蛇は「敬遠」したいものとして登場する。蛇は敬い遠ざけておきたいものとして登場。陳舜臣氏は蛇を敬遠したり、嫌悪する我々の気持ちは人類の遠い記憶の中にある爬虫類恐怖症に根源があるという。

「七くさや袴の紐の片むすび」(蕪村)

正月に因んで与謝蕪村の句

「七(なな)くさや袴(はかま)の紐(ひも)の片(かた)むすび」

を選んだ。

昔は還暦をすぎた男子は袴の紐を真結びから片結びに換えたらしい。句の意味は「還暦を過ぎても元気な年男が七草囃子を歌いながら七草粥を作っているよ。」

穏やかな正月の風景に託して新春の歓びを詠ったものである。句集「人日」に入っている。

七草粥や人日(じんじつ)についてはこのブログでも取り上げたことがある。

デジタル赤字急拡大:進む米国企業による「植民地化」

しんぶん赤旗・日曜版12月22日号の記事のタイトルである。

日本の貿易収支の中で著作権等使用料、通信・コンピュータ・情報サービス、専門・経営コンサルティングサービスからなるデジタル分野の収支は5兆円以上の赤字になっている。これがデジタル赤字である。

この赤字の原因は日本企業のデジタル分野での競争力が弱く世界で通用するデジタルサービスが展開できないことにある。「GAFAM」などの米国企業が圧倒的に世界市場を支配している。日本企業が米国企業が開発した技術基盤の上でサービスを展開するとますます米国企業への依存度を高めデジタル赤字が増えることになる。

この連鎖を打ち切るには日本独自のデジタル技術の開発とデジタルサービスの展開である。

マイナンバー制度のような国主導の粗雑で強権的なデジタルサービスを独占的に請け負うだけではダメなのである。

紅葉2024

11月の半ばになって仙台も寒くなって紅葉も本格定になった。近くの紅葉をカメラに収めた:

瑞鳳寺の紅葉
放送大学前庭
放送大学前庭

全ての写真はここにある。

「チベットを馬で行く」(渡辺一枝著)

著者がチベッ高原(チャンタン)を馬で廻わった話である。

チベットの人々や仏教とのふれあいの話の沢山出てくる。チベットでは現在でも仏教が生活の中に生きていることがわかる。人々は各地のお寺に向けて巡礼の旅をする。お寺は信仰の対象である。家には仏壇があるがそこにはダライ・ラマの写真などが掲げられており祈りの場である。

これは日本の埋葬儀礼が主なお寺や祖先の位牌を安置する仏壇の機能とは対照的である。

モントリオール2024

5年ぶりのモントリオールだ。新しい建物も増えたが依然として古い建物も残っていて古都(かつてはカナダの首都であった)の趣を作っている。そこがいい。

Mont Royal山の展望台から見たモントリオールのダウンタウンのスカイラインの写真を載せておく:

この展望台には付属の古い建物があり、 かつてはここまで馬車もきた由。

今回はモントリオールから100kmほど西にあるスキーリゾートTremblantで乗馬体験までした。

旅全体の写真はここにある。

哺乳類、おしりから呼吸できます

今朝の朝刊の記事のタイトルである。

ドジョウはえら以外に腸から酸素を取り込むことができる。これから哺乳類は肺で酸素を取り入れことに加えて腸からも酸素を取り入れているのではないかと考え研究した人たちがいる。この研究でイグ・ノーベルj賞を受賞した。

受賞したのは東京医科歯科大学の武部貴則教授らの研究グループ。マウスやブタを使って肛門から酸素ガスを供給し、血中の酸素濃度が上昇することを確認した。

ここに詳しい説明がある。