頭絡の五つのタイプ

Smithsonian Handbooks-Horsesによればヨーロッパ風の乗馬で用いられる頭絡には五つのタイプがある。それらは:

  • snaffle
  • double bridle
  • pelham
  • gag
  • hackamore

日本語では

  • 小勒(しょうろく)
  • 大勒(だいろく)
  • ペラム
  • ギャグ
  • ハカモア

多様なポニーたち(8):ソーライア

今回はポルトガルのポニーであるソーライア(Sorraia)。画像はここ

ヨーロッパで最初の家畜化されたウマはイベリア半島のウマたちであると考えられている。それらの初期のウマ科の後裔たちをスペインやポルトガルで見つけることができる。このソーライアもその一つで体毛の色と体型は原始的なウマのターパンにそっくりである。

ソーライアはソル川とライア川の間の平原に生息していた。そして一時期には有名なアンドラダ一族は野生の状態でこれを飼育していた。北アフリカのバルブ種(barb)強い影響が嘗てあったこの野生状態の飼育は名声高いスペインのウマの生産に貢献した。

数世紀の間ソーライアは地元のカウボーイや軽い農作業に使われてきた。嘗ては何の変哲もない馬であると考えられてきたが、大きな重い頭や尾のある位置が低いなど全ての面でソーライアは野生の祖先の原始的な力強さを残している。

「ハミ」に関する議論

ウマを制御する上で「ハミ」は必要か?、という議論がある。

ハミはウマにとっては不快感だけを与える装置だとして「ビットレス」乗馬を奨励しているところもある。

一方G. Heuschmann:”Balancing Act: The Horse in Sports- An Ineconciable Conflict?”では次のように述べている:

「…勿論ハミによる虐待はありうる。しかし、それを正しく使うことによって調和ある乗馬ができるようになる。これはよい乗馬の核心である。無知な人はナイフによる殺人があったので全てのナイフは捨てるべきと主張するかもしれない。全ての道具やトールはそれを使う人の良し悪しによってきまる」とハミの使用を擁護している。

この主張では「正しく使う」とはどういうことか?が最大の論点になる。また「正しく使う」ことが大変に困難な道具である場合はその道具の使用を諦めるという視点もある。

勒(ろく)

勒(ろく)という漢字を「漢字源」で調べると

  1. 【名詞】馬の頭にかけて、馬を御する革ひも。馬のハミをつけるおもがい。頭絡ともいう。「白馬ハ嚼齧ス黄金ノ勒」(杜甫・哀江頭)
  2. 【動詞】かってに動かないように引き締める。「抑勒」
  3. 【動詞】ほどよく調整する。また文章を石にきざみこむ。

とある。

 

 

多様なポニーたち(7):コネマラ

今回のウマはアイルランドのコネマラ(Connemara)。画像はここ。このウマは以前紹介したことがある。

このウマはアイルランド西海岸を原産地として、アイルランド唯一の在来種である。現在では原産地を離れた地と同様にヨーロッパ中で飼育されている。このウマは華麗な演技や素晴らしい障害飛越をする最初のポニーであることから山岳や荒地系のポニーの中では最も知れ渡っているウマである。年長の子どもや軽量のおとなを乗せるには充分の大きさがある。

多様なポニーたち(6):コニック

今回もポーランドのウマでコニック(Konik)。画像はここ

コニックもポーランドを基盤とするポニーである。名前は「小さい馬」という意味であり、13ハンヅ(130cm)を越えるものは稀であるが、実際ポニーというよりホースである。

コニックは頑丈な原始的なウマであるターパンの数少ない直接的な後裔である。コニックはその祖先が持っていた頑丈さや万能向きの特徴を保持していが、気性は穏やかで非常に扱いやすい。そして僅かな食料で重労働に耐えることができる。農業の全ての作業や運搬そして馬車の牽引に使われている。

多様なポニーたち(5):フツル

今回は南部ポーランドのポニーであるフツル(Huçul)。画像はここ

このポーランドのフツルは作業用のウマの典型である。南部ポーランドやカルパチア山地の農村で標準的な農作業のウマである。主に軽い農作業で牽引作業に使われたが、荷駄を積んで困難な山道を運ぶことにも使われた。

この品種はポーランドに生息していたターパン(Tarpan)の後裔と見なせる。フツルの原産は数千年の間似たようなポニーが生息していたカルパチア山脈由来である。ある時点で東方の影響があった可能性がある。品質管理されている現生ポニーはその後はっきりと定義された。

フツルは強力、頑丈、繊細そして扱いやすい。

多様なポニーたち(4):ゴトランド

今回のポニーはゴトランド(Gotland)、スエーデンのウマである。画像はここ

スエーデン・ゴトランド(Kogruss pony 「森の中の小さい馬」)はスカンジナビアの品種中では最古もので祖先の特徴を多く残している。嘗てはバルト海のゴトランド島やLojstaの森で半野生の状態で生息していた。

ゴトランド島が発祥の地で、おそらく石器時代から生息してたと思われる。ターパン(Tarpan)の後裔と考えられているがアラブの血も入っている。

嘗ては農耕馬として使われていたが、現在では乗用馬として特に障害飛越や速歩競技で活躍している。常歩や速歩は力強いが駈歩はあまり印象的にはない。

多様なポニーたち(3):ノルウエー・フィヨルド

今回のポニーはノルウエー・フィヨルド(Norwegian Fjord)。画像はここ

背中の模様と弓のようにカーブした後肢を持ったこの魅惑的なノルウエー・フィヨルドは外観的にはその祖先である原始的なモンゴルウマまたはアジア野生ウマに最も近い。ヴァイキング以来粗いたてがみを中央の黒い髪が他に対して立つように整髪するのが伝統になっている。

強力で小型のノルウエー・フィヨルドは万能な動物である。山野の農地ではトラクターの役割の担っている。急な斜面の耕作や荷駄、そして馬車や騎乗に向いている。

多様なポニーたち(2):アイスアンド・ホース

今回はアイスランド・ホース(Icelandic Horse)。画像はここ

大きさはポニーにも拘わらずホースとして扱われている。そしてこのウマはアイスランドの生き物のなかで特別な位置を占めている。アイスランドにウマが導入されたのは紀元800年から935年の間にノース人のロング・ボートによってである。

このウマは半野生状態に置かれていて厳しい条件下であっても一年中野外で生活できる。ウマたちは様々な作業に使われていて、食肉にもなる。またアイスランドの伝統的なスポーツ活動にとぅて不可欠なものである。基本的な歩様は勿論、アイスランド・ホースは側対歩(skeid)や有名な高速常歩(tölt)で動く。