オリオン星雲(M42)を見つけよう

冬の星座として顕著なオリオン座にM42と名づけられた星雲がある。この星雲は恒星を作る材料である物質が豊富にありそれらが最近誕生した若く明るい恒星の光を吸収して輝いていたり光を遮蔽したりして複雑な輝きの分布を示す星雲である。

大きな望遠鏡で見るとこんなふうに見える。鳥が飛んでるように見える星雲だ。

この星雲のオリオン座中の場所はこれで。

超新星爆発「木に記録か」:年輪の炭素14濃度が急上昇

朝刊の記事のタイトルである。

太陽系の近くで過去にあった超新星爆発の影響を地球の木が記録している可能性があるという話。米国コロラド大学の研究者たちの発見である。

コロラド大学のロバート・ブレーケンリッジ博士たちは古い木の年輪に含まれている放射性元素(炭素14)を調べた。年輪に含まれる炭素14が急上昇する例をいくつか見つけた。これは木が光合成をする際に大気から吸収した炭酸ガスにこの炭素14が沢山あった年代があったことを示唆している。

超新星爆発との関連を見ると南天のほ座の方向約815光年の先ある恒星が1万3000年前に起こした超新星爆発(現在は超新星残骸と中心なる中性子星によるVelaパルサーとして観測されている)を初め4例は炭素14の急上昇と対応関係があるとの由。

炭素14の上昇は太陽フレアでも起こるが博士は超新星爆発との関連も調べる価値があると述べている。

 

放送大学構内の秋

昨日は天気がよかったので東北大学片平キャンパス構内にある放送大学の建物(旧東北大学理学部生物棟)の周辺の秋をカメラに収めた:

紅葉と古めかしい建物

 

光と影そしてブナ
紅葉の写り込み

砂丘の動力学:砂丘はお互いに「コミュニケーション」している

砂の集合体は面白い性質を持っている。砂時計がそのよい例である。

Newscientistにあった記事であるが、その砂の集合体である砂丘が動く機構の話題である。

ケンブリッジ大学の研究者たちは実験でこの機構を調べた。実験で使った装置は「dune ‘racetrack’」と呼ばれているものである。回転する円筒型の水槽中に砂丘を見なした同じ大きさの砂の塊を二つ離して置き、装置を回転(水も回転運動をする)してこれらの塊の動きを観察する。

水は粘性があるので回転槽よりゆっくりと回転する。だから回転槽に乗ってみると水は回転槽の反対方向に回転する流れを作る。この流れで二つの砂丘は移動する。この二つの砂丘の移動の様子をカメラで撮影した。この動きが面白い。

最初のうちは上流側にある砂丘が下流側にある砂丘に近づく動きをみせるが、徐々に上流側にある砂丘の接近速度が落ちて下流側にある砂丘と同程度になる。さらに観察すると今度は下流側の砂丘が上流側の砂丘から離れる動きをする。この動きは長く続き、二つの砂丘が180度も離れるまで続く。ここが平衡点らしい。このような動きは上流にある砂丘がその下流に作る乱流によるものと考えられている。

砂丘群の動きは個々に砂丘がかってに動くのではなく、お互いに相互作用をしながら動いているわけである。このようなメカニズムが砂丘が作りだす見事な波型パターンの形成に関わっていると研究者たちはみている。

 

 

種苗法「改正」の問題点:農家の自家増殖を原則禁止

今朝の新聞の記事のタイトルである。

食は人間の生活に必須。その食を担う農業で栽培植物の種や苗の扱いを定めたものが種苗法であるが、「改正」の動きがある。

この新聞の記事はその問題点をシリーズで載せている。

種苗法では新品種を開発して登録した場合、開発者の知的財産を保護する(育成者権)。同時に種苗法では農家が購入した種や苗を育て収穫して翌年再び自分の農地でこれを種苗として使うことを認めている(自家増殖)。

「改正」では登録品種については自家増殖を原則禁止とし、農家は毎年許諾料を払わないとこの品種を使えない。

調査では5割程度の農家が登録品種を使って自家増殖を行っていて、この「改正」の影響は大きい。しかも特産物には登録品種が多い。例えば米では、作付け面積が多い「コシヒカリ」。これは育成者権がいない一般品種だが、「コシヒカリ新潟BL」は登録品種である。このように細かく見ると登録品種は多い。またブドウでは登録品種は9パーセントだといわれているが、山形県では大粒種だと56パーセントと多い。北海道のコムギは99パーセント、大豆が86パーセント、沖縄県のサトウキビは50パーセント以上が登録品種である。

今回の「改正」の理由は優良品種の海外流出を防ぐためだとされている。
しかし、海外流出と不法な海外での使用を止めさす決め手はその品種を海外でも登録することである。これまでは政府は海外での品種登録をサボっていた。これが原因である。

 

 

どくろ星雲の新画像:欧州南天天文台が公開

今日の朝刊の記事のタイトルである。

南天にある惑星状星雲をチリにある欧州天文台(ESO)の超巨大望遠鏡(VLT)で撮影した画像が公開されたという話である。

この惑星状星雲、「NGC246」は距離1600光年のところにある。この惑星状星雲を作った赤色超巨星は現在は白色矮星として観測されているが、この星は見えない褐色矮星を含め三つの星からなる連星系をなしているという。これらの影響なのかこの惑星状星雲は素直な球形にならず歪な形をしており、ヒトの頭のように見えることから「どくろ星雲」と呼ばれている。画像がここで。

宮城県美術館:県民にとって貴重な財産

宮城県美術館は宮城県民の貴重な財産である。

宮城県美術館は県民が常設展や特別展を通じて長い歴史を持つ絵画や彫刻作品を落ち着いた雰囲気の中で鑑賞できる場を提供し、また県民ギャラリーや創作室の利用を通じて芸術活動を支援している。この施設は県民の文化享受と文化創造の貴重な場を提供している。しかも多くの識者たちが指摘しているように建物(本館や佐藤忠良記念館)や周囲の庭そしてそこにおかれた彫像群はそれら自体が文化財的な価値を持っている。

宮城県美術館は開設から30年以上が経っている。全ての文化財が補修を必要とするようにこの文化財も補修が必要である。事実県の依頼を受けた宮城県美術館関係者の間で補修の検討が進められ、既にその骨子は答申されていると聞く。

このような状況の中で県は県民会館の移設と抱き合わせで宮城県美術館の国立病院跡地への移転を突然に関係者に提案してきていると聞く。この「抱き合わせ」の提案の細部は不明であるが、美術館の補修を検討してきた関係者をはじめ多くの人々はこの県の対応に対して大きな不信感を募らせてる。

宮城県美術館はそれ自体文化財であり、県民の貴重な財産である。安易な「スクラップ・アンド・ビルド」ではなく、補修計画に沿ってこの財産を長く保たせる道こそが今求められていることである。

 

Are birds that walk more advanced than those that hop?

タイトルは「歩く(walk)鳥はホップ(hop)する鳥より進んでいるか?」。鳥の歩様についてNewScientistにあった話題である。

馬は常歩、速歩、そして駈歩の三つの周期的な歩様(gaites)を持っている。この歩様の遷移(移行)は酸素消費量の節約のために起こることがわかっている。これは一頭の馬の歩様の問題である。

鳥では種によって歩様が異なる。その理由は?

記事では

オーストラリアの地元の茂みにはマグパイ(magpie)のように歩く鳥やワライカワセミ(kookaburraのようにホップする種類の鳥がいる。どちらが進歩した鳥だろうか?これは長年疑問とされてきた問題である。

何となく小さな鳥はホップだし、大きな鳥は歩くかなと思う。

こんな説もある。

「歩くはホップより複雑な歩様であるので大脳皮質の少ない小さな鳥では無理である。歩く歩様は神経・筋肉系の制御の複雑な組み合わせが要求される。Phillip Tobiasは人間の二足歩行の長い歴史に対して『ヒト、よろめきながらの二足歩行者』とまとめている。」
Why do some birds hop and others walk?“より

「歩く」と「ホップ」の双方を採る鳥もある。これは馬と同じように経済効率で歩様を選択しているのであろう。

 

 

 

核兵器禁止条約1月22日発効:ホンジュラス批准50ヵ国到達

今朝の新聞のトップ記事のタイトルである。

人類史上初めて核兵器を違法化する核兵器禁止条約の発効がきまった。

同条約は核兵器の使用や使用の威嚇、生産、保有、実験、配備などを広く禁止している。前文では完全廃絶こそが二度と使われないための唯一の方法であるとうたっている。

同条約の発効で核兵器は違法のものとなる。