オミクロン株は生まれるべくして生まれた

ウイルス学には素人だが

「オミクロン株は生まれるべくして生まれた」という印象を強く持っている。この突然変異が優勢になり従来のものに置き換わるタイミングとその勢いを見るとその印象は強くなる。

ワクチンの普及により従来株は繁殖を抑えられてしまった状況でそのワクチンに耐性を持つ突然変異が生まれたとしたらこの突然変異は増殖に極めて優位な立場を得ることになり大増殖をする。これがオミクロン株だと思う。

このようなワクチンに耐性を持つ突然変異は以前にも生まれてきていると思われるがワクチンが普及していない状況では従来株に対して優位な立場になかったので消滅してしまっていると考えられる。オミクロン株の大増殖はワクチンの普及によって引き起こされたものと言えるのではないか。

因みに現行のワクチンがオミクロン株に対して効かないのではないかということはオミクロン株の拡大の初期には指摘されていた。例えば、「東京都 オミクロン株感染者 約7割はワクチン2回接種済み」(2022.01.05) 。しかし何故か最近ではこの種の統計データに触れたニュースは全く無くなってしまった。

このような状況でなにをすればよいか?

  1. オミクロン株にも有効な新しいワクチンを開発する動きがある。これはよほど慎重にしないと「イタチごっこ」になる可能性がある。新たな突然変異による大感染になりかねない。しかもその新種がどのような性質を持つことになるのかは全く予測不可である。
  2. 幸いオミクロン株は従来株と比較して「重症化」の割合が低いと言われている。また、現行のワクチンも「重症化」を弱めると言われている。さらに従来株も含めて感染者が獲得した免疫は新たな感染予防に極めて有効であると言われている。
  3. まずは感染者のなかの「重症化」の割合を下げること。それには「重症化」に陥りやすい社会層に対して有効な対策を講ずることである。
  4. 「重症化」の割合が低いといっても感染が急拡大すると重症者は増加して医療逼迫を起こす。感染の急拡大を起こさないような感染対策を採って感染をコントロールする。
  5. このようなウイルスとの共生の実現は長い時間を必要とするだろう。それに耐えうる社会構造の変革やその影響を強く受ける社会的弱者に対する施策が必要になる。

核禁条約実践特別な責任:原爆生誕の地から表明

今朝の新聞の記事のタイトルである。

米西部ニューメキシコ州を管轄するカトリックのジョン・ウェブスター・サンタフェ大司教が11日核兵器を開発するロスアラモス研究所を抱える大司教区として、「核兵器禁止条約を支持するだけでなく、米国も含めて条約の積極的な実践を促す特別な責任を負っている」と表明した。

バチカンは「核抑止力」論を肯定する立場を転換し、核兵器禁止条約の成立を推進し率先して署名・批准したと紹介している。

与謝蕪村の句(5)

○古傘(ふるがさ)の
婆裟(ばさ)と月夜の時雨哉 蕪村

「婆裟」という擬声語が大変面白い。

蕪村による注:「月婆裟と申事は、冬夜の月光などの木々も荒蕪いたる有りさまに用ひ候字也。・・・・ばさと云響、古傘に取合いよろしき歟と存候」

カクと拍車(はくしゃ)

蕪村の句にこんなのがある:

○雪の戸に
格(かく)を当(あて)ゆく木履(ぽくり)かな 蕪村

この格(カク)である。脚注には「格を当=鐙の具(カク。細い金具)で馬のわき腹を蹴り、速く走らせること。」とある。和式馬術で使ったもの。実物を見たことばないが、拍車と同じ機能を持っているように思われる。

句の意味は

雪を噛んだ木履を戸にトントンと当てて落としているよ

 

元日と立春

2022年の陰暦の元日は二月一日である。

一方立春は二月四日であるので今回は二つの日にちがかなり接近している。

「年の内に春はきにけりひととせを 去年(こぞ)とやいはむ今年とやいはむ」(在原元方)

このようには辛うじてなっていない。

内田樹:書架の効用

今朝の新聞の「読書」欄の記事のタイトルである。

氏は書架に1万冊ほどの本をもっているが、読んでない本が8割かたあるという。その理由である。

「友人たちが読まなければならないと思っているのだが、まだ読んでいない本」である本を並べるのこの規模にあるらしい。

与謝蕪村の句(4)

蕪村の俳句の中に「暦」を詠んだものを二つ見つけた。

○御経(おんよう)に
似てゆかしさよ古暦(ふるこよみ) 蕪村

脚注に「伊勢暦は経文の如く縦長にして折しものなり」とある。

○闇(やみ)の夜に
終(をは)る暦(こよみ)の表紙かな 蕪村

脚注に「大晦日は闇なり。暦の表紙は黒と定まりある也」とある。

核に予算注ぎ込むな:保有国は言行一致を

今朝の新聞の記事のタイトルである。

核保有国5カ国の共同声明について、米国の「平和・軍縮・共通安全保障キャンペーン」のジョセフ・ガーソン氏は「もし5カ国が核戦争の回避を本当に真剣に考えているなら、核弾頭強化に多額の予算を注ぎ込むことをまずやめるべきだ」と指摘した。

雪中ぼたん:上野東照宮ぼたん苑

今朝の新聞記事の話題である。

東京都台東区の上野東照宮ぼたん苑では「冬ぼたん」が見頃である。冬に開花するように2年かけて育てた100株があでやかに咲いている。

蕪村の句に

山中(さんちゅう)の
相(しやう)雪中のぼたん哉 蕪村

山中(宰)相は中国の故事にならって「大変貴重な」または「大変に稀な」の意。

 

与謝蕪村の句(3)

○斧(おの)入れて香におどろくや冬こだち 蕪村
嗅覚が視覚を強調しているさまが面白い

○一しきり矢種(やだね)の尽るあられ哉 蕪村
「矢種」がいい

○寒梅を手折(ておる)響(ひびき)や老が肘(ひじ) 蕪村
寒梅を手折ってハッとしている様子

○漁家(ぎょか)寒し酒に頭(かしら)の雪を焼(やく) 蕪村
泰然自若としている漁師を彷彿させる